精密洗浄装置で常に「ベストな洗浄」を提案する スピードファムクリーンシステム株式会社

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洗浄用語解説

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洗浄
  【洗浄】cleaning  
       
  【洗浄プロセス】cleaning process  
       
  【汚れ】surface contamination  
       
  【洗浄品質】cleaning quality / Cleanliness  
       
  【洗浄品質評価】evaluating surface contamination / cleanliness  
       
  【洗浄方法】cleaning techniques
-1.湿式洗浄(wet cleaning)/-2.乾式洗浄(dry cleaning)
 
       
  【リンス】rinseing  
       
  【スクラブ洗浄】scrubbing  
       
  【ロールブラシ式スクラバ】roll brush scrubbing  
       
  カップブラシ(デイスクブラシ)式スクラバ】
cup/dis k brush scrubbing
 
       
  【シャワー(スプレー)洗浄】showering(spraying)  
       
  【高圧スプレー洗浄】high pressure spraying  
       
  【二流体スプレー洗浄】air Atomizing Spray  
       
  【超音波シャワー洗浄】megasonic showering  
       
  【浸漬洗浄】immerseble cleaning  
       
  【噴流洗浄】hard stirring  
       
  【バブリング洗浄】bubbleing  
       
  【超音波洗浄】ultrasonic cleaning  
       
  【(汎用)超音波】ultrasonic  
       
  【高周波超音波(メガソニック)】
high frequency ultrasonic/(megasonic)
 
       
  【減圧超音波洗浄】
ultrasonic cleaning into vacuum tank
 
       
  【クイックダンプリンス】quick dump rinseing  
       
  【バッチ式洗浄装置】Batch cleaner  
       
  【枚葉式洗浄装置】in-line cleaner  
       
  【流水式洗浄】stream cleaner  
       
  【UVオゾン洗浄】UV/Ozone cleaning  
       
  【レーザー洗浄】laser cleaning  
       
  【ドライアイス スクラブ洗浄】dry ice scrubbing  
       
  【洗浄溶媒(洗浄液)】cleaning solution  
       
  【キャビテーション】cavitation  
 
  洗浄  
       
    読み:せんじょう
英語:cleaning
解説:洗浄とは、洗浄ワーク(洗う物)表面に存在している物質のうち、除去したい物質を選択的に取り除く事であり、様々な物理・化学・生物化学反応の集合技術である。洗浄で除去したい物質(「汚れ」)には、洗浄ワーク表面に付着・吸着するあらゆる物質が対象になる。二次的に付着・吸着する洗浄ワーク表面素材自身の破片なども汚れに分類する場合、洗浄ワーク表面素材や表面酸化膜を汚れ除去手段として溶解させる事も洗浄の分類に入る。また、洗浄ワーク表面酸化膜や変質層をも汚れと判断する場合、それを取り除く事も洗浄の分類に入る。しかし、洗浄ワーク表面素材や酸化膜のみを加工工程として意図的に溶解させる場合は、目的が汚れ除去ではないので、例えプロセスが洗浄に類似していても洗浄とは云わず、エッチングと称する。
 
     
       
  洗浄プロセス  
       
    読み:せんじょう ぷろせす
英語:cleaning process
解説:洗浄プロセスとは、洗浄ワークを具体的にどのように洗うかという事である。まず脱脂(有機物除去=degreaseing)をし、次に除塵するのが基本の洗浄プロセスである。脱脂は、微粒子を覆う有機汚れを取り除くプロセスで、著しい有機汚れ(油や接着剤などの付着)には有機溶剤を用いるが、普通は洗剤を用いる。脱脂により微粒子汚れが洗浄溶媒に露出するので、付着量が多ければスクラブや高圧スプレーで洗い落とし、超音波洗浄などで仕上げるのが普通である。汚れが強固に付着している場合には、汚れ自身、又は汚れの付着する洗浄ワーク表面を溶かす薬液処理を併用する。
 
     
       
  汚れ  
       
    読み:よごれ
英語:surface contamination
解説:汚れとは、洗浄ワーク(洗う物)表面に存在している物質のうち、除去したい物質の総称である。 一般的には洗浄ワーク上に付着・吸着している物質を指すが、洗浄ワーク表面素材自身やその酸化膜も汚れとして、洗浄の対象とする事がある。
 
     
       
  洗浄品質  
       
    読み:せんじょう ひんしつ
英語:cleaning quality / Cleanliness
解説:洗浄品質とは、洗浄後に求められる、或いは洗浄後における洗浄ワーク表面の清浄度の事である。 洗浄品質は様々な計測手段で評価され、その計測値で規定される。湿式洗浄では乾燥工程での二次汚染が有得る上、乾燥せずに洗浄品質を評価しえない現実から、乾燥後の品質を実質の洗浄品質としている。
 
     
       
  洗浄品質評価  
       
    読み:せんじょう ひんしつ ひょうか
英語:evaluating surface contamination clean-liness
解説:洗浄品質評価とは、後工程が要求する洗浄ワークの清浄度が達成されているかを確認する事である。 洗浄品質は後工程の歩留まりに反映されるが、それでは管理にならない。後工程に影響する汚れの要素を摘出し、その検出・分析方法と管理値を定め、洗浄ワークが管理基準を満たすかどうか具体的に品質検査する事が、洗浄品質評価の作業である。しかし、ユーザーが汚れとして除去したい物質は多種多様であり、故にその検出分析方法も多岐に渡る。そこで評価分析にかかる時間とコストを鑑み、後工程の歩留まりに反映される洗浄品質要素を選択して、品質管理することになる。
代表的な洗浄品質評価方法を、「5洗浄品質評価方法」として別途まとめましたので、詳しくはそちらを御参照くださいませ。
 
     
       
  洗浄方法  
       
    読み:せんじょう ほうほう
英語:cleaning techniques
解説:洗浄方法とは、洗浄ワークを液体に濡らして洗浄するかどうかで大きく分類される。
-1:湿式洗浄(wet cleaning):洗浄ワークを液体に濡らして洗浄する方法である。
-2:乾式洗浄(dry cleaning):洗浄ワークを濡らさずに洗う方法で、UVオゾン洗浄、レーザー洗浄、ドライアイススクラブ洗浄等がある。
 
     
       
  リンス  
       
    読み:りんす
英語:rinseing
解説:リンスとは、洗浄ワーク上の洗浄溶媒(汚れ含む)を濯ぎ落とす事である。
 
     
       
  スクラブ洗浄  
       
    読み:すくらぶ せんじょう
英語:scrubbing
解説:スクラブ洗浄とは、固体を洗浄ワークに接触させる擦り洗いの事である。擦る物はブラシやスポンジ等の他、氷などを洗浄ワークにぶつける事も、スクラブ洗浄の概念に含まれる。スクラバは名詞として機構又は装置を示す。スクラブ洗浄の利点は、直接汚れに物理力を作用出来る点にあり、特に汚れの量が多ければ、単位時間内に大きな汚れ除去率が期待出来る。欠点としてはブラシが被洗浄物を傷付ける可能性があり、ブラシからの発塵や、汚れ再付着などで汚れ除去率をゼロに近付ける事も容易ではない。 故にスクラブ洗浄は、複数の洗浄手段を内蔵した洗浄装置の初段のプロセスで用いられる。ブラシの当て方にはロールブラシ式とカップブラシ(デイスクブラシ)式がある。
 
     
       
  ロールブラシ式スクラバ  
       
    読み:ろーる ぶらししき すくらば
英語:roll brush scrubbing
解説:ロールブラシ式スクラバとは、円筒形のブラシを、円筒の側面を接触面として回転させ、洗浄ワークを擦るものである。 汚れを一方向に掻き出す効果がある。ブラシをシャワーリンスしたり別のロールブラシで擦ったりして、ブラシ自身を清浄に保ちやすい。しかし、ブラシが円周の一点でしか洗浄ワークに接触しない為、単位時間当りの仕事量はカップブラシ(デイスクブラシ)式に劣る。
 
     
       
  カップブラシ(デイスクブラシ)式スクラバ  
       
    読み:かっぷ ぶらししき(でぃすく ぶらし)しき すくらば
英語: cup/disk brush scrubbing
解説: カップブラシ(デイスクブラシ)式スクラバとは、円筒形のブラシを、円筒の断面を接触面として回転させ、洗浄ワークを擦るものである。ブラシの全面が洗浄ワークに接触する為、単位時間当りの仕事量が大きく、基板をあらゆる方向に擦るので、汚れの剥離に適する。反面、スクラブ中はブラシの擦る面を洗浄しにくく、構造的な工夫をしないとブラシが汚れ易い。
 
     
       
  シャワー(スプレー)洗浄  
       
    読み:しゃわー(すぷれー)せんじょう
英語:showering(spraying)
解説:シャワー(スプレー)洗浄とは、洗浄溶媒を洗浄ワークに吹き付ける洗浄方法の事である。 洗浄ワークに付着する汚れがシャワーする洗浄溶媒に溶解する場合には、短時間の処理で90%以上のリンス効果を発揮し得るが、シャワー単独で除去率をゼロにするのは困難である。しかしながら、そのリンス効率の高さを利用して、薬液洗浄の初段リンスにしばしば用いられる。又、スクラブ洗浄での洗浄溶媒供給や、除去された汚れの洗い流しの為にもシャワーは併用される。洗浄途中や湿式加工途中の洗浄ワークを乾燥させずに運ぶ手段としても、しばしばシャワーが用いられる。シャワーが汚れ除去率をゼロに出来ない理由は、洗浄ワーク近傍での摩擦抵抗で液の流れにくい淀み層(boundary layer)が形成され、シャワー液が充分作用しない事による。そこで、洗浄ワーク近傍の淀み層を突き破り、シャワー洗浄効果を上げる手段として、高圧スプレー洗浄、二流体スプレー洗浄、超音波シャワー洗浄が実用化されている。
 
     
       
  高圧スプレー洗浄  
       
    読み:こうあつ すぷれー せんじょう
英語:high pressure spraying
解説:スプレー液の噴射圧力を通常用いられる1Mpa/cm2未満よりも高くする洗浄方法である。 洗浄原理は、シャワー洗浄同様にスプレー液が単純に衝突する力に因るのみならず、ノズルから噴射された液と大気圧との圧力差と、液が高速で洗浄ワークに衝突する際の圧力変化で、超音波と同じくキャビテーションが発生することによる。 純水の高圧スプレーでは、ノズルが帯電して放電することがあり、電子部品の洗浄に用いるには注意が必要となる。
 
     
       
  二流体スプレー洗浄  
       
    読み:にりゅうたい すぷれー せんじょう
英語: air Atomizing Spray
解説:二流体スプレー洗浄とは、加圧気体と液体を同時に供給すると、液体を微粒子化して噴射するノズルを用いる洗浄方法である。液滴が機関銃弾のように断続かつ連続して洗浄ワークに当ることで、単純に噴射圧力を高める以上の効果を発揮する。
 
     
       
  超音波シャワー洗浄  
       
    読み:ちょうおんぱ しゃわー せんじょう
英語:megasonic showering
解説:超音波シャワー洗浄とは、シャワーノズルから噴出する洗浄溶媒に超音波を載せて洗う方法である。 超音波は低い周波数ほどノズル口径を大きくしないと通過出来ない為、シャワー流量の実用限界からノズル口径が制限され、商品化されている超音波シャワーの周波数は通常約500kHz~1MHz程度のメガソニックである。 ノズルから離れるほど超音波は減衰するので、有効射程距離は20mm程度である。
 
     
       
  浸漬洗浄  
       
    読み:しんせき せんじょう
英語:immerseble cleaning
解説:浸漬洗浄とは、洗浄ワークを洗浄溶媒に漬けて洗う洗浄方法である。汚れは洗浄溶媒中に溶解あるいは剥離して拡散する。洗浄ワークから剥がれた汚れを速やかに遠ざけ再付着を防ぐために、洗浄ワークは揺動されて洗浄溶媒は入れ替えるか、循環濾過されるのが普通である。
 
     
       
  噴流洗浄  
       
    読み:ふんりゅう せんじょう
英語:hard stirring
解説:噴流洗浄とは、洗浄槽中の洗浄溶媒を強力なポンプや羽などで激しく攪拌する、浸漬洗浄方法の補助手段である。汚れの溶解能力が高い洗浄溶媒を用いる場合には、簡易で有効な方法である。また、超音波が使用出来ない場合にも使われる。
 
     
       
  バブリング洗浄  
       
    読み:ばぶりんぐ せんじょう
英語:bubbleing
解説:バブリング洗浄とは、洗浄槽の底から清浄な窒素ガスやクリーンドライエアーを細かい気泡で吹き上げる(airration)、浸漬洗浄方法の補助手段である。 細かい気泡が洗浄ワークの間を浮上する事で、洗浄溶媒が洗浄ワークの周りに滞留する事を防ぎ、剥離した汚れを水面に導く。剥離した汚れ粒子が親液性でない場合は、気泡と共に浮上し、槽液に再び混入する事を防ぐ効果もある。しかし、汚れの剥離能力自体は使用洗浄溶媒に頼るので、洗浄能力は使用洗浄溶媒次第である。
 
     
       
  超音波洗浄  
       
    読み:ちょうおんぱ せんじょう
英語:ultrasonic cleaning
解説:超音波洗浄とは、洗浄槽液に超音波を照射し、その物理的作用で洗浄ワークの汚れを積極的に剥離する、浸漬洗浄方法の補助手段である。語意は超音波を用いた洗浄全般を示すが、浸漬洗浄槽内に超音波振動子を据え付けた構造を指し示すことも多い。
 
     
       
  (汎用)超音波  
       
    読み:(はんよう)ちょうおんぱ
英語:ultrasonic
解説:洗浄用途の(汎用)超音波とは、約20kHz~100kHz程度までの周波数のものを指す。この周波数帯では超音波の働きで、液中にキャビテーションと呼ばれる真空気泡が沢山生成し、その気泡が圧縮破壊する際に発生する局部的な500atm、5500℃に及ぶ高圧、高温と、400km/hrに及ぶ水流が、洗浄ワークの汚れを剥離するとされている。真空気泡の直径は周波数20kHzで約150μmとされ、周波数が高い程直径も小さくなる。従って同じ出力の超音波では、真空気泡の直径が大きくなる低い周波数ほど汚れの剥離が期待出来る。しかし周波数が低いと、同じ理由で洗浄ワークを損傷することもある。
 
     
       
  高周波超音波(メガソニック)  
       
    読み:こうしゅうは ちょうおんぱ(めがそにっく)
英語:high frequency ultrasonic(megasonic)
解説:高周波超音波とは、汎用超音波よりも周波数が高い超音波を指す。メガソニックとは、RCA社の特許に書かれた造語で、約200kHzから約5MHzまでの周波数の超音波を示す。この周波数帯では、液中にキャビテーションは殆ど形成されない。 超音波による液の振動加速度で、付着汚れを振り落とすとされる。 強く照射すると洗浄溶媒の成分が一部分解してラジカルを生成し、洗浄に寄与したり、洗浄溶媒を経時劣化させたりする。サブミクロンレベルの塵埃除去に有効である。
 
     
       
  減圧超音波洗浄  
       
    読み:げんあつ ちょうおんぱ せんじょう
英語:ultrasonic cleaning into vacuum tank
解説:減圧超音波洗浄とは、大気圧以下の環境で洗浄ワークを超音波洗浄する浸漬洗浄方法の補助手段である。 減圧すると、洗浄ワークの狭い隙間や穴の中の気泡が取り除かれ、洗浄溶媒が脱気されてキャビテーションの真空気泡に空気が溶け出さなくなるので、超音波の威力が強くなる。
 
     
       
  クイックダンプリンス  
       
    読み:くいっく だんぷ りんす
英語:quick dump rinseing 略語:QDR
解説:クイックダンプリンスとは、洗浄ワークを入れた槽に水又は純水を満たし、洗浄ワークにシャワーしながら一気に排水する「薬液処理後のリンス(濯ぎ)方法」である。QDR槽1組だけで短時間に充分な濯ぎをする事が出来るので、洗浄装置を小型に設計出来る。反面、水の使用量は多くなる。
 
     
       
  バッチ式洗浄装置  
       
    読み:ばっちしき せんじょうそうち
英語:Batch cleaner
解説:バッチ式洗浄装置とは、複数の洗浄ワークをまとめ洗いする洗浄装置である。 洗浄ワークを洗浄籠に入れて処理するので、複数の洗浄プロセスを1プロセス毎に専用の処理槽にまとめ、それを並べた多槽洗浄装置(wet bench)の形態を成す。洗浄ワークが洗浄籠に納まれば洗浄可能な為、幅広い分野で広く用いられている。スクラブ、シャワー、浸漬など殆どの洗浄手段を内蔵可能であり、処理能力に対するコストが小さく、洗浄ワークの搬送機構が比較的単純で故障が少ない利点がある。反面、フットプリント(設置面積)が大きいのが欠点である。
 
     
       
  枚葉式洗浄装置  
       
    読み:まいようしき せんじょうそうち
英語:in-line cleaner
解説:枚葉式洗浄装置とは、洗浄ワークを1個づつプロセス処理する洗浄装置である。 洗浄ワークは次々に1個づつ洗浄される。このため、個々の洗浄プロセス条件を管理し易く、洗浄品質の変動が少なく出来る利点がある。反面、単位時間当りの処理量はバッチ処理洗浄には及ばない。洗浄ワークの扱い数が少ない分、装置のフットプリント(設置面積)はバッチ式洗浄より小さくなり、洗浄装置を組み込んだ製造ラインの自動化が容易である。
 
     
       
  流水式洗浄  
       
    読み:りゅうすいしき せんじょうそうち
英語:stream cleaner
解説:流水式洗浄とは、浸漬洗浄槽内の液の流れを川のようにして、出来るだけ層流に近付けるようにした浸漬洗浄槽である。洗浄ワークから剥離した汚れが流れの上流から下流に送られ、再付着を少なくする効果がある。
 
     
       
  UVオゾン洗浄  
       
    読み:ゆーぶい おぞん せんじょう
英語:UV/Ozone cleaning
解説:UVオゾン洗浄とは、洗浄ワークに大気中で紫外線を照射し、洗浄ワーク表面の有機物を主に水と二酸化炭素に分解除去する乾式洗浄方法である。 紫外線源には、低圧水銀ランプやエキシマランプが用いられる。紫外線やオゾンガスを含む雰囲気が漏れないように設計された処理槽内に洗浄ワークを入れ、必要時間ランプを点灯して紫外線を照射すれば、有機汚れは除去される。即ち、低圧水銀ランプから照射された波長184.9nmの紫外線が大気中の酸素をオゾンに変えるとともに、汚れ有機物の分子結合を切断する。 同じく波長253.7nmの紫外線も汚れ有機物の分子結合を切断すると共に、オゾンの分子結合を切断し、酸素ラジカルを発生させる。この酸素ラジカルが切断された汚れ有機物の分子と結合し、最終的に水や二酸化炭素になって洗浄ワークから揮発する。この洗浄原理から推察されるように、洗浄ワークが有機物であればダメージを受ける。また、燃焼させて灰が残る物質は、UVオゾン洗浄でも残さが残ると考えられる。 液晶硝子の成膜前洗浄ではよく使われる洗浄方法である。
 
     
       
  レーザー洗浄  
       
    読み:れーざー せんじょう
英語:laser cleaning
解説:洗浄ワークにレーザー光線を照射する事で汚れを落とす洗浄方法である。レーザー洗浄では、湿式と乾式の2方式が実用化されている。
-1.湿式によるレーザー洗浄:洗浄ワークに洗浄溶媒をかけるか、浸漬し、その洗浄ワーク表面近くに高出力レーザー(炭酸ガスレーザーの使用例が多い)を焦点とすると、突沸する洗浄溶媒により、付着汚れが洗浄溶媒中に剥離する洗浄方法である。 1973年には存在した歴史ある技術であるが、精密洗浄用に製品化された歴史は浅く、枚葉方式の洗浄処理となる。
-2.乾式によるレーザー洗浄:乾式によるレーザー洗浄とは、洗浄ワーク表面近くにエキシマレーザーを焦点すると、その紫外線により、UVオゾン洗浄と同じ原理で有機汚れが除去される洗浄方法である。 UVオゾン洗浄よりも紫外線エネルギーが強力な為、照射部分の洗浄時間は早いが、洗浄ワーク全面を洗うには、レーザーをスキャニングしなければならない。
 
     
       
  ドライアイス スクラブ洗浄  
       
    読み:どらい あいす すくらぶ せんじょう
英語:dry ice scrubbing
解説:ドライアイススクラブ洗浄とは、高圧の炭酸ガスをノズルから噴射し、断熱膨張で生成したドライアイス粉末を洗浄ワークに吹き付け、洗浄ワークの汚れを除去する乾式洗浄方法である。 精密洗浄のみならず、船舶などの塗装剥がしや錆落しにも使われている洗浄方法である。ノズルから噴射され、断熱膨張で生成したドライアイス粉末は、洗浄ワーク表面で直接汚れを掻き取るのみならず、一部が液化して有機物を溶解し、そのまま洗浄ワーク表面から吹き飛ばされて気化し、清浄な洗浄ワーク表面が現れる。アメリカでは高純度の高圧炭酸ガスが比較的容易に入手出来るので、シリコンウェハの洗浄でも実用されている。
 
     
       
  洗浄溶媒(洗浄液)  
       
    読み:せんじょう ようばい(せんじょう えき)
英語:cleaning solution
解説:洗浄溶媒とは、湿式洗浄で使われる洗浄液の事である。洗浄溶媒が水に溶けるか否かで洗浄装置の基本構造が異なるため、水溶性洗浄液、双溶性洗浄液、非水系洗浄液に大きく分類される。水溶性洗浄液とは酸・アルカリ洗浄液、界面活性剤や洗剤などの洗浄液で、一般に水による濯ぎが必要である。双溶性洗浄液とは、アルコール類やグリコールエーテル、NMPなどや、それに界面活性剤を添加した、水にも有機溶剤にも溶ける洗浄液の事で、水溶性洗浄液としても有機溶剤としても使用出来る。非水系洗浄液とは有機溶剤を代表とする水に殆ど溶解しない洗浄液の事で、沸点が高くないものは蒸気乾燥に利用したり、蒸留再生(distillation)して繰り返しの使用が可能である。但し、代替フロンや塩素系溶剤のように毒性が強かったり、使用制限のあるものや、可燃性のものが多い。
 
     
       
  キャビテーション  
       
    読み:きゃびてーしょん
英語:cavitation
解説:液体の圧力を急激に変動させると、圧力の低い部分が気化して、非常に短い時間に蒸気のポケットが生まれ、また非常に短時間でつぶれて消滅する現象のこと。スクリューや羽根車の直後、スプレー噴射、超音波引加などで発生する。直径数10~数百μm程度の大きさであるが、崩壊時にはポケット内部は数百気圧、数千℃にもなり、時速数百キロの水流が起こるので、洗浄に利用される。高速船のスクリューやタービンブレードなどでは、長時間キャビテーション下にさらされるので、破損してしまうこともある。超音波洗浄においても、アルミ合金や細かい電子配線などの柔い洗浄ワークを損傷する(エロージョンと称す)事がある。超音波洗浄では、そのポケットサイズが周波数に依存し、28kHzで120μm程度、40kHzで約80μm、100kHzになると小さくて洗浄の働きは弱くなる。超音波洗浄ではポケットが洗浄ワークの周りに無数発生して崩壊する事で、汚れがはがれ落とされる。また、高圧スプレーではスプレーの打撃力とともに、噴出直後のノズル付近と打撃時にキャビテーションが発生する。 参考に、左側の洗浄ワークに向かって右方から崩壊しつつあるキャビテーションの写真を示す。